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ポルシェのインテリアカラーマッチング高品質がニューパナメーラのインテリアにおける色彩調和を構築

ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)の気品あふれる品質は、すべてのディテールに及びます。これは、インテリアを見れば明らかです。この時、目立つものがなければ、その品質は最良といえます。そのためにポルシェでは「カラーマッチング」と呼ばれる色彩の調和を図っています。これによりポルシェの企業品質は、お客様が色と素材との深い触れ合いを通じて完全な満足を得ることを保証します。「600以上の目に見えるコンポーネントが、統一された色合いの中で調和していなくてはなりません」と、ポルシェAGの企業品質担当副社長フランク・モーサーは述べています。「これを実現するのは極めて複雑なプロセスです。なぜなら、私達の車には多くのカスタマイズオプションが用意されているからです」。例えば、ニューポルシェ パナメーラのインテリアは、5種類のシングルカラーと、さらに5種類のツートンカラーの中から選択してオーダーすることができます。これが実際に何を意味するかというと、カーペットからインテリア全体とルーフライニングに至るまで全てが同じ配色であり、しかもそれが、どんな照明条件においても成り立つということです。

インテリアカラーの仕様は、ポルシェデザインスタジオのデザイナーによって定められます。次のステップは、レザー、塗料、プラスチック、フィルム、ファブリック、カーペット、および糸の評価に使われるマスターカラーサンプルの作成です。ここでの課題は、不調和が生じないように正しい色調を正確に選び出すことです。インテリアに装着された全ての部品が、同じ色調の他の全てのコンポーネントと組み合わされて統一された全体像を生み出すことができた時に、初めて完璧であるとみなされます。

表面の微妙な色のニュアンスや光沢の具合が、全体の色彩調和を決めます。「人間の目はほんのわずかな違いも感じとり、パッチワークのように見えてしまいます」と、インテリアカラーマッチング責任者のシモーネ・フェットは語ります。彼女とそのチームは、全てのモデルのインテリアが高い満足感を生み出すことに取り組んでいます。カラーマッチングは、ポルシェの高い品質基準に基づいています。カラーマッチングの目標は、市販車のすべての部品のカラーに違いがないようにすることで、例えば、マルサラカラーのインテリアが、ニューポルシェ パナメーラと調和するようにすることです。

微調整は専用の照明ブースで行われます。「作業は、生産準備段階の18ヵ月前に始まります」と、化学技術者のフェットは説明します。彼女は、初期段階でのいろいろなコンポーネントを見せてくれました。それらのカラーは、ホワイトに近いものからバイオレットにまで及びますが、どれもマルサラレッドのマスターカラーとは全く一致しません。コンポーネントの製造では、素材、ツール、プロセス、プロセスパラメーター、および着色顔料の混合という5つの要素があり、それぞれの色調は、様々な顔料を用いて開発されています。しかし、各製剤は、素材やプロセスによって反応がわずかに異なるため、完成したパーツの色調が、仕様から外れることもあります。ニューパナメーラのインテリアには約40種類の素材が使われ、部品のカラーマッチングプロセスには70社以上のサプライヤーが関わっています。「求めるカラーを実現するまで何度でも繰り返します」と、シモーネ・フェットは説明します。「まるで大きなパズルのようです。乗員コンパートメントの全体像が、色彩調和のとれていない状態から、徐々に統一されたデザインへと変わっていきます。そのためには、高い精度とディテールへの細心の注意が不可欠です」。

新しいインテリアカラーが量産できるようになるまでに、4回のカラー検査が行われます。検査では、目に見える600個全てのコンポーネントをボディシェルに装着します。このようにそれぞれのコンポーネントを直接並べて配置すると、違いがはっきりと現れます。仕様からの逸脱は、分光光度計を用いて計量的に記録されます。例えば、目標とするマルサラカラーと全く同じ量のレッドを含んでいても、少しブルーが強かったり、やや暗く見えることもあります。さらに、反射率計を用いて表面の光沢が記録されます。補正が必要であれば計算値を用いて行います。次のカラー検査では、再び全てをテストします。この段階で色調が選ばれるか、少なくとも目標の仕様にかなり近づくことになります。カラーを測定する時、標準化されたカラーシステムを用いて分光反射率の値を確認します。それから、三次元球体モデルにより各色調が定義されます。

特に重要な物理的特性が、メタメリズム(条件等色)です。これは、照明条件が変わると別の色に見えるという、顔料の特異的性質のことです。例えば、太陽光ではマルサラカラーと完璧に一致するコンポーネントが、ガレージの人工光ではかなり異なって見える場合があります。そのため、基準となる3種類の照明条件のいずれにおいても統一された色調となるように、顔料を混合しなくてはなりません。「各条件での色彩効果を判定するために、照明スタジオの中でこれらの照明色をスイッチひとつで切り替えることができます」と、シモーネ・フェットは説明します。

これほど複雑で高精度な測定技術が用いられているにもかかわらず、乗員コンパートメント全体における調和のとれた色彩効果を最終的に判定するのは人間の目です。ポルシェの乗員コンパートメント全体が満足感を生み出す時、カラーマッチングの目標が達成されます。

しかし、インテリアカラーマッチングの専門部門は、量産準備のための品質プロセスの中で素材、化学薬品、カラー、および製造技術に関する技術的専門知識に貢献するだけではありません。ポルシェ デザインスタジオから依頼された新しい色調と素材の実現可能性の試験にも初期の段階で参加しています。

<本件に関する読者からのお問い合わせ先>
ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911
ポルシェ ホームページ (http://www.porsche.co.jp)

2017/3/9